トヨタ自動車の期間工から正社員登用への道

トヨタ自動車では近年、正社員登用の実績が増えています。2015年7月の日本経済新聞に掲載された記事によると、2015年度にトヨタの期間工から正社員へ登用されるのは300人以上になるとありました。2013年度は40人、2014年度は100人だったので、驚くほどの大幅増員です。

 

トヨタ自動車が正社員登用を増やす背景には、景気回復による自動車販売の好調があります。また、国内景気の回復に加えて、円安の進行による海外輸出の増大もあります。

 

トヨタ自動車は、こうした自動車の需要増加に伴う製造現場の人員不足解消のために正社員登用を進めています。経費削減や人員の調整弁としての期間工を雇い止めるメーカーが多い中、優秀な人材を確保しようという狙いがあります。

 

トヨタ自動車の正社員登用試験の要件

トヨタ自動車では、期間工から正社員登用になるために、登用試験を受験する必要があります。正社員登用試験は以下の2つの要件を満たせば受験することができます。

正社員登用試験の要件
  • 期間工として契約を更新しながら1年以上働く
  • 本人の希望があり、職場の管理監督者の推薦がある

 

「推薦」とありますが、これは推薦状というものを作成されます。これには管理監督者と職場における個人の評価がつけられます。だから推薦されたからそれでおしまいではなく、それも試験の合否に大きな影響を与えます。

 

問題は、正社員登用のチャンスは最大2回しかないことです。2年目から推薦をもらえますが、与えられるチャンスは1年に1回です(試験自体は年に4回行われる)。期間工は最長2年11ヶ月なので、チャンスは合計2回しかありません。

 

トヨタ自動車の期間工から正社員登用へのステップ

先ほどから「正社員登用試験」と言いましたが、実際は以下のようなステップを踏みます。

 

期間工から正社員への登用ステップ

期間従業員(期間工)
…準正社員登用試験(1、4、7、10月)
準社員
…3ヵ月後に面接
社員

 

準社員から正社員へのステップは面接が行われますが、特に問題がなければ正社員へ登用されます。だから実質的に「正社員登用試験」とは、期間従業員(期間工)から準社員になる際の試験と言えます。

 

この準社員になる際の試験は1月、4月、7月、10月の年4回行われますが、どこかで1回のみ受験できます。

 

準社員になる際の評価項目
  • 履歴書…志望動機など
  • 推薦状…職場での評価
  • 筆記試験…SPI2
  • 面接試験

 

SPI2とは、思考力や基本的計算能力を問う「就職試験」のことです。解答はマークシートを用います。例えば「推論」、「速さ」、「表の読み取り」など様々な出題パターンがあります。書店の就職活動コーナーに行けば腐るほど対策本があります。難問ではありませんが、学生時代の内容がほとんどなので大抵の人は勉強しないと点数が取れません。期間工として働きながら勉強するのであれば、3〜4ヵ月前からコツコツ勉強する必要があるでしょう。

 

ただSPI2よりも大事なのは「推薦状」と「面接」です。一般的な教養を点数化したものは人としての評価に値しません。「あなたはなぜ正社員になりたいのか」「あなたは正社員としてふさわしい人物なのか」を問われます。

 

つまり、正社員登用で最も評価されるポイントは、働き始めたその時からの積み重ねなのです。トヨタ自動車で期間工から正社員登用を狙うなら、期間工として入社したその日から試験が始まっているという意識を持つことが大事です。